パンと蜜をめしあがれ(窯焼きパスコ・国産小麦のバゲット)
ごぶさたしております。
以前、好きなトーストアレンジについてのエントリを投稿したことがありました。
その後もおのれの食欲の趣くままに食べ食べ妖怪をやっていた結果、体重が人生最高をマークしたのが丁度一年ほど前。身体は正直ですね(因果応報)。
以降、一念発起しわがままボディ(肥)からわがままボディ(締)へクラスチェンジすべく本気ダイエットに着手してからというもの、パンはご褒美として楽しむものという位置づけに変わりました。
今でもわがパンへの愛に一点の曇りなしというのは紛れもない事実ですが、バッターボックスに入る回数が減ったぶん、好みのパンと出会うために私が上げるべきは打率!ということで、打席に立つ際の選球眼と精度を高めることに勤しんでおります。
そんな私が最近出会って感動したパンがこちら!
窯焼きパスコ・国産小麦のバゲットです。
発売されたのは2017年頃とのことで、パン好きの諸兄姉はすでにご存じのシリーズかと思います。実際に、取扱いのあるスーパーも増えてきました。
時折お店で見かけるたびに気になっていましたが、個人的にパン食の頻度が落ちたことも手伝って、試すのが延び延びになっていたのでした。
結論として、市販のバゲットの最高峰では?と思うほどのお気に入りになりました。
これ食べたらもう某パリ男には戻れない…!いやアレはアレで私のフランスパンの原風景ではあるんだけど… 刷り込まれた懐古厨の心中イズコンプリケイテッド。
そんな食い意地おばけのハートをがっちりつかんだポイントは2つ。
- しっかりと感じられる小麦本来の風味
- ベーカリー顔負けの外バリ中もち食感
開封してすぐに、酸味を含んだ小麦の香ばしい香りが立ち上ります。私はこの匂いが大好きです。全粒粉やライ麦などを扱うハード系のパン屋さんに行くと脊髄反射でスーハーしちゃう。ルームフレグランスに欲しいレベル(オタク特有の誇張表現)
また、表面にまとった仕上げのお粉がしっかりと残っているのも驚きました。市販のパンでこの粉を感じたことはなかったな… 街のベーカリーと勝負できるバゲットを自宅でも、というメーカーの本気が伝わってくるようです。
トースターでリベイクする際は、①表面を軽く湿らせること②2分焼いたら余熱のままさらに2分待つ(焼き過ぎない)ことが推奨されています。
マニュアル型人間こと私もその手順を踏襲し温め直してみたところ、これがま~~~おいしい。すっかり度肝を抜かれました。
水分を補給してあげたことで、外側はバリッと歯切れよく、中の白い部分はしっとりもっちもちの仕上がり。シンプルながら、小麦そのものの風味が引き立っていて物足りなさがない。アツアツのところにバターを含ませて味わうのが「「正解」」という気すらしました。
これがスーパーの片隅で2割引きになっていたパンなどと誰が信じようか。これは修業を積んだパン職人が独立して開いたベーカリー ――こじんまりとした店構えながらお客さんの絶えない地元の人気店――で丁寧に作られたバゲットそのもの…!
もしかして私がまた食べたいと熱望しているバインミーのバゲットってこれだった??と錯覚するほどの感動をおぼえました。
元より食パンは超熟派のわたくし、市販でこのクオリティを実現するパスコの仕事ぶりにあらためて舌を巻きました。これだから敷島製パン推せる…!
切り方によっても食感が変わるので、お好みの形や厚さにカットして楽しめるのも最高です。
私がこれまでに試したのは以下のとおり。
【3センチ幅の斜めスライス】
【1/3にカット後スライス】
個人的なオススメはバゲットサンドです。このパンの良さである外バリ中モチの食感が存分に発揮されてたいへん好みでした。なお、お水はポイントなので省かないほうが良さそうです。わが家には霧吹きという気の利いたものがないため、湿らせた手のひらでバゲットの表面をなで回して事なきを得ました。この際手段は選ばない。でもこのひと手間でバリッとむっちり感が上がります!そのうち紅白なますとサラダチキンを用意して自家製バインミーもやりたいな。
あとはフレトーも良かったです。
食パンとは違って柔らかい中にほどよい噛みごたえが残るのが最高。そしてバターと小麦の香りが素晴らしいアクセントになってフォークを運ぶ手の疾きこと風の如し。私は水切りヨーグルトとラスベリーのジャムを添えて食べました。甘味×酸味×さっぱり=向かうところ敵なしの方程式が完成です。うますぎて作った翌週にリピートしたもんね。おいしいものはたっぷり好きなだけが贅沢だと思っているので、飽きるまで定期的にやっちゃう(そして飽きる)(熱しやすく冷めやすいマンの典型)
まだまた不要不急の外出が憚られる毎日が続きます。ワクチン接種が少しずつ進んできたとはいえ、終わりの見えないトンネルに気が滅入ることもあります。
このコロナ禍で行きたかったお店が消えてしまうことに大きなショックと後悔を抱えたこともまた少なからず… 「推しは推せるときに推せ」はけだし名言ですね。
ただ、自由にお出かけができない今、市販のパンにもベーカリーに引けをとらない本格的な商品があるんだ!という発見は私にとって大きな活力になりました。
行きたいところへ行けず、会いたい人に会えず、心のバッテリーが切れそうになった時でも、好きなものを味わっている瞬間だけはつらさを忘れて元気になれる。おいしいは原始よりの魔法、というのは私のひそかな持論ですが、その気持ちが一層強くなった気がします。
こんなご時世、手軽に楽しめる市販のパンを楽しみつつ、日々頑張っていらっしゃる街のパン屋さんのことも両方応援していけたらなと思っています。
好きな人と好きな場所で好きなものをたくさん分け合える日が一日も早く訪れますように!